北海道旅行4日目-北きつね牧場
昨日は美瑛を経て北見まで辿り着いた。
どうにも全快とはなっていないらしい体を起こし、時刻を確認すると11時を指していた。
まぁ昨日一昨日はかなりタイトなスケジュールで動いてたから仕方ないかと思い、支度を済ませる。
起きてから最速で準備を済ませていれば1時間ほど早く到着できたらしいが、自分は疲れているのだ。
そしてキツネに癒されに行くのだ。
観光にスケジュールを詰め込みすぎて疲れるみたいなことは御免被る。
そんなこんなで次発は12:40頃。
現在時刻は12時頃。
遅めの朝飯にするかと2つ先のバス停まで歩いて、これ以上進んで人気店に行くと次発に乗り遅れるだろうことに気付く。
そんなわけでそこらのラーメン屋に入った。
なんとなく醤油ラーメンを頼んだが、普通に美味かった。もし自分がここに住んでいたら「いつもの味」になってそうだ。そんな味。つまり平凡。
…あとで口コミを見るとラーメンはそこまでだが、餃子のクオリティが天元突破とあった。
ミスったと思う反面、今からキツネに会いに行くのにニンニクの匂いを纏うのもどうかと思うので、頼まなかったのも正解だったろう。そう思おう。
留辺蘂までJRを使ってその先バスを利用すれば多少安くなるが、面倒だったのでバス一本で行くことにした。
誰もこの校名に疑問を持たなかったのか?
「坊や、どこ小出身だい?^^」
「あいのない小学校!」
「えぇ…^^;」
こうはならなかったのだろうか。ならんか。
終点近くになるとバスは自分だけの貸切だった。採算大丈夫なんだろうか。
バスを出るとき、運転手の方に声をかけていただいたので潰れないでいてほしいと思う。やっぱり旅先で声をかけられると嬉しいものだ。
それより看板が思っていたより趣深いというか、単刀直入に言ってしまえばボロくて不安になる。
あと近づくにつれ獣臭が鼻に付くのも最初は気になっていた。
そんな不安は入場と同時に消し飛ぶことになる。
犬?猫?咄嗟に頭が判断し損ねるのを感じた。
立ち振る舞いは犬だな…。あとかわいいな。
でも猫がこんな寝方してるのも見たことがあるんだよな。
あとかわいいな。
前足で首をくしくししている。
この生物を今まで見た何と同じカテゴリーに入れれば良いのだろうか。
少しわかりにくいが木の上に登っている。
跳躍力は猫のそれに近いものを感じる。
自由に振る舞っているのを見つめていたらおもむろにこっちに来た。
スマホとか手袋は持っていかれる危険があるので座り込んで撮るわけにはいかない。
それに万が一噛まれたりするとエキノコックスの危険もあるかもしれない。
あくまで彼らは隔離された自然の中で過度な干渉をされずに育っているのだ。
それにしてもかわいいな。
…たぬき?
これがキツネか。
冬のもこもこした姿はキュートで、夏のシュッとした姿は狡猾なイメージにぴったりの姿だ。
ならば、今、秋はどうだろう。
狡猾さとキュートを併せもったあざとい生物の爆誕である。
いつしかこの不思議な生き物に釘付けになっていた。
寄生虫や諸々の危険がなかったら存分にもふもふしたい。抱きしめたい。とてもかわいい。
…。
…ここは天国か?天国なのだろうか?
天使はキツネの隠語だったのだろうか?
天使の悪魔は、つまりキツネの悪魔だったのか?
北見からは天国直通のバスが通っているのだろうか?
あの運転手さんは死神とかだったのだろうか?
とにかくかわいいことは事実である。
餌食っとる…。
かわいいね。
…!こっち見たァ!なァ!こっち見たァ!キャッキャ‼︎
成人男性(21)、声帯を潰された子供みたいにはしゃいでいる。
気付くと1時間が経っていた。
百聞は一見に如かずと言うが、まさか餌だけじゃなくて人間の時間も食うとは思わなかった。
色んな意味で恐ろしい生物である。
後光差すタヌキ。
キツネとタヌキって敵対関係にあるのかと勝手に思っていたが、気にする様子もなく暮らしている。
あと気持ちタヌキの方が獣臭がキツい気がする。
よく寝る前に「あぁ〜…フゥ」って一息つくことがあると思うが、タヌキもやってた。
なんというか行動がおっさんっぽい。
だがかわいい。
互いの存在を当然とばかりの自然体である。
これから犬派猫派論争に巻き込まれたら狐派って答えるヤバいやつになろうと思います。
あまりのかわいさに2時間が溶けていた。
これ以上滞在しているとバスがなくなってしまうし、わずかに残った理性も時間と一緒に食われてしまいそうだった。
そんなわけでなくなく牧場から去ることにした。
つい買っちゃった。かわいい。
お土産のレパートリーも豊富で、ヤクザの事務所にありそうな雄鹿の剥製や、熊の剥製が6桁の価格で売られていた。
果たしてこれから購入されることはあるのだろうか。
留辺蘂行きの最終バスは17:03発。
あと40分ほどあるが、隣の水族館は満喫するには少し足りないだろう。
道の駅併設の土産屋と屋台で軽い夕食を取ることにした。
名物の白花豆ソフトクリーム。
優しい甘さと口の中でほろっと崩れる食感が美味しかった。
物珍しさ以上の美味しさがあった。
いかあげやき?普通にうまい。
あとイモモチも食べた。うんめぇ〜。
そもそも日が落ちかけで気温もあまり高くなかったので温かさが体に染みる。
ポツンと一本、夕陽を受けて色付く姿がとても綺麗。
結局バスが来る頃には日が落ちていた。
心の中でキツネに手を振り、温根湯の地をあとにする。
30分程度で留辺蘂に到着。
特急の到着まで1時間ほどあるが、北海道にしては良心的な時間である。
待合室では、地元の高校生が地域のマップを作成し、道路や設備の改善を要求する住民インタビューが掲載されていた。
中でもコンビニを増やしてほしいとあったのは切実に感じた。
かくいう自分も駅から400m離れたセイコーマートに行くのも面倒で、結局駅舎でしばらく特急の到着を待つことにした。
先発が止まってた。
駅から数メートル先が暗闇なの怖すぎる。
猛獣が出ないことを祈るばかりである。
定時より少し遅れて札幌行きの特急が到着!
札幌には23時頃の到着らしい。
切符の確認と、遠軽での座席入れ替えを済ませると意識が遠のいていくのを感じた。
爆音のチャイムで札幌到着を知らされ、慌てて下車の準備を済ませる。
今日も快活クラブに泊まるべく歩く。
ライトアップされる時計塔は結構綺麗だし、何より時刻がわかって便利だ。
明日の出発予定時刻は6:48。
寝られるのは6時間にも満たないことを目の当たりにして多少の不安を感じたのを覚えている。
そんな不安も飯を食って眠気に襲われればすぐさま吹き飛ぶ。
快活クラブの素晴らしいのは、すぐそこにラーメン横丁があること。わずか2分のアクセスである。
バターコーン味噌ラーメンをいただき、しばしの休息を取るべく、今日の宿泊地に戻るのであった。
愛くるしい動物と小さな秋を堪能し尽くした1日だった。
キツネ、かわいい生き物。覚えた。
北海道旅行3日目-美瑛の丘
2000文字くらい書いてたのに消えちゃった…。
起きてスマホを見ると6:30。
結局昨日は酒飲んで部屋のシャワー浴びて寝てしまった。
今日もアラームが鳴る前に起きられたな〜なんて思いながら事前チェックアウトを済ませ、昨日ライトアップされていた二見吊橋に向かう。
ライトアップもいいけど本来の紅葉も見たい。
朝見ても綺麗。
美しいッ…!
紅葉は5分ってところかな?
早朝でも割と人がいるだけの美しさがあった。澄んだ水と紅葉の黄色、空の青さのコントラストが素晴らしい。
景色に満足して足取り軽やかにホテルに戻ると、ちょうど朝食ビュッフェの入場時刻。
昨晩のビュッフェに引き続き、朝食のビュッフェも豊富なバラエティがあったのだけれど、自分の目はホテルに来た時からある一点に釘付けだった。
曰く、「朝から勝手丼」
釧路で食べようと思っていた勝手丼を札幌のホテルで食べられようとは。
覚えている限りでマグロ、サーモン、イカ、タコ、いくらがあったかな?
どうにも記憶が曖昧なのは、途中から気付いてしまったためでもある。
上の写真含めて4周したが、たっぷりのサーモンといくらに刻み海苔をかけ、ワサビを溶いた醤油をかけた海鮮丼がべらぼうに美味かった。
あと、昨日はわからなかったけど、ビューホテルの名に恥じない光景を飯食べながら楽しめるの最高だな。
そんなこんなで景色と豪華な朝食を堪能した後、小走りで自室に戻る。
この時点で8:50頃。チェックアウトとシャトルバスまで1時間ほどあるが、このホテルでやり残したことがある。
せっかく露天風呂併設のホテルにきたのに、まだ入っていない。
そんなわけでまず地下の露天風呂に向かう。
チェックアウトぎりぎりの時間のためか自分含めて3人ほどしかおらず、大浴場、サウナ、露天風呂を素早く堪能する。
湯質とか正直わからんけど、間違いなくいい湯だった。
サウナで静岡のチェーン店特集の番組を見ていると時刻は9:10頃。
橋下の露天風呂から見える絶景を1人で噛み締めて湯を上がった。あれ橋上から頑張れば見えそうだったな。
正直悩んでいた。まだ屋上の露天風呂を堪能できていない。風呂上がりは9:15頃。荷積は何もしていない。それによく見ると9:30で風呂のメンテナンスじゃねぇか。
今回は…仕方ない。
全速力で楽しむか。
ここまでの葛藤コンマ5秒。
元より諦めるなんて選択肢はないのだ。
そうと決まればタオルと着替えとマスク“だけ”持って急ぎ16階へ向かう。
残り10分。本当にギリギリの時間で多少の罪悪感を抱えていたが、屋上展望にきた途端、そんな思いは跡形もなく塗りつぶされた。
うぉ…綺麗だなぁ…。
屋上も人がおらず、この感嘆は誰の耳にも入ることはなかったが、絶景と呼ぶに相応しい景色だった。
眼下に流れる豊平川水系、奥に見える定山渓ダムと黄色から赤付く紅葉。
まごう事なき絶景であった。
かくして烏も驚きの速度で行水を済ませ、自室に戻る。
戻る。
あれ?ない。ないぞ。
あ。
そうと決まればタオルと着替えとマスク“だけ”持って急ぎ16階へ向かう。
𝓘𝓷 𝓴𝓮𝔂
鍵を、忘れています。
先ほどコンマ5秒で結論を弾き出した頭が全く動かず、冷や汗だけ出る。時刻は9:35。
これもしかしてフロントの受付さん呼んで部屋に来て、開けてもらう時間を考えるとバス出発の10時に間に合わないんじゃね?
考えるより早く足はフロントに向かっていた。
ホテル内を走る成人男性(21)
幸い、受付についてインキーの事実を伝えると、新しい鍵を渡してもらえた。
なんとか希望がつながったと踵を返してたどり着いた自分の部屋。朝起きてから色々あったなと缶を片付け、服を詰め込み、コートを羽織りロビーに鍵を返したのが9:55。
ふぅ
どうにか札幌に戻るバスに間に合った。
ここまでレポート課題1つ分くらいの文量を使ったわけだが、まだ朝である。ホテルをやっと出た頃合いだ。
そもそも今日は北見駅まで移動する必要がある。
明日は北見にあるキタキツネ牧場に行きたいからだ。
札幌からフルで特急を使っても5時間かかって、到着は18時頃。
全国旅行支援割引で3000円分のクーポンをもらったわけだが、当日中に消費しなければならず、北見で全額使うアテもないし、それにどうせならレジャーで消費したい。
どうせ北見では天下の快活クラブで寝泊まりしようと思っていたし、それなら宿泊時間は減らしたほうが安く済む。
そんなわけで前々から行きたいと思っていた「美瑛の丘」に行くことにした。
幸運にもバスは定時より少し早い10:50に札幌駅に到着。
11時に到着していた場合、美瑛駅着は14時頃になっていたことを考えると僥倖である。
この旅を決行するきっかけにもなった「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」を改札に通し、特急ライラックで旭川に向かう。以降6日間は特急を含めた北海道のJRが乗り放題になる。
お値段なんと12000円。
特急あおぞらを利用して札幌から釧路に向かった場合9990円必要なことを考えると、いかに周遊パスのコスパがぶっ壊れているかがおわかりいただけるだろう。
仮に特急あおぞらで札幌-釧路間を6日間連続で移動した場合、6万かかるのが、12000円。
もはや何らかのバグである。
大丈夫かJR北海道。大丈夫じゃないだろうな。
そんなバグチケットを握りしめて向かうは美瑛。
旭川で美瑛行きのワンマンカーに乗り換え、単線非電化を文字通りガタンゴトンと揺られながら行く。
ディーゼル車両はこの揺れが情緒をかき立ててくるのがやっぱり素晴らしい。
しばし田舎の景色を楽しみ、美瑛駅に着いたのが13時頃。
駅前のヤマザキショップで電動自転車を借りると、店員さんから地図とルートマップをいただけた。
17時には帰ってきてほしいとのことだったので、青い池は断念し、三愛の丘-四季彩の丘-新栄の丘を巡るルートを選択した。
事前に情報を得ていたおかげで少々割高であっても迷わずに電動自転車を借りたが、これが大正解だった。
美瑛の丘、つまり丘だ。坂道もヤバいのだ。
そんなわけで順調に漕ぎだす。
遠くに見える山が空との境界線になってる。綺麗だ。
結構漕いだ気がする。三愛の丘に到着した。
展望台の裏手から見える畑が美しい。まさに今北海道の大地を見渡していると考えると、使った体力なんてすぐさま戻る。
さっきも言ったが丘ばかり。上りさえすれば楽しい楽しい下り坂が待っている。
周りには本当に誰もいない。
思う存分にスピードが出せる!
映画のタイトル入れられそうじゃない?
遠くに聳える十勝の山々。
曲がりくねった道の先に見えるそれは、神々しくさえ見えた。山岳信仰なるものが生まれるのも何となくわかる気がした。
何よりめっちゃ綺麗でお気に入りの1枚。
四季彩の丘、到着。
どうやらこの時期は入場料無料らしい。
入ってすぐ見えたデカい木、すげぇ綺麗。(5-7-5)
ありえないほど長かった坂を上りきった甲斐があった…。
これ無料で見られるってマジ?
咲き誇る花々が美しいのはもちろん、遠くの山のなんと壮大なことか。
トラクターバスで一周できるらしいが、あまり時間もないので急ぎ足で見てまわった。
知識がないので何の花かわかんなかったけどいい匂いはするわ、綺麗な景色だわでえっちらおっちらきた甲斐があった。
あの日見た花の名前をまだ僕は知らない
帰り際にもう一枚パシャリ。
売店で1枚買った。
言葉が出来ないくらい綺麗だ…!
電動自転車でも乳酸が溜まるのを感じる地獄坂。
振り返ると綺麗。
線路内立ち入りしたんじゃなくて、カメラを構えながら踏切を渡ったことをお伝えしておきます。
線路は続くよどこまでもって歌いたくなるいい写真だ。(自画自賛)
防雪林・防風林は車窓を楽しむ上で邪魔者でしかないと思ってたけど、上の写真だと上手いこと中央に向かって消失点じみたものができていて美しい。(とてもハヤクチー)
酪農牛乳のラベルこんなんじゃない?
16:20頃が自転車の返却予定時刻だったけど、少し時間がありそうだったので、「クリスマスツリーの木」を見ることにした。
道中の林からガサガサ…って音がした時は本当に怖くて、自転車のベルを鳴らしながら大音量で音楽を流して走り抜けた。
北海道探訪前、最も恐れていたのは熊との遭遇である。この頃の熊は冬眠前で最も凶暴で、東の方ではOSO18なるバケモノ熊の存在も報告されていた。
だから成人男性(21)が「ギェアキャァァァァァァ‼︎‼︎」と叫んだのも仕方のないことである。
いやホントに。
新栄の丘に到着。
見渡す景色、緑、青、白。
想像の中の北海道が目の前に広がっている。
美瑛サイダー!
こういうのは多少高かろうが買うべし!うめぇ!
疲れた体に炭酸が染み渡るーッ!
見渡す限り360度この景色。
山も遠いからか、大地に1人だけ自転車を漕いでいるのだと強く実感できる。
絶景のパノラマロード。
景色に夢中で写真を撮ることを忘れていた。
遠くに飛行機。旭川空港か…?
調べてみると旭川の中心部よりかなり離れた場所にあったからこれっぽい。
富良野線を高架上からパシャリ。
そこそこ色付いている。
それにしても美瑛の丘探索初の信号の気がする。
そんなわけで駅前到着!
美瑛の名はしばらく忘れることはないだろう。
焦がれた景色は期待をずっと上回って姿を表してくれた。
酪農が盛んで畑には作物が実っている。
そんな景色を余すことなく堪能して、電動自転車を返却した。
お値段1800円。美瑛サイダー込みで2000円と少し。
絶景の割にコスパ良すぎるだろ…。
3日目にして雄大な景色を堪能して、170km東の北見駅に向かう。
17時頃には日も落ちており景色は楽しめないだろう。読書したり、スマホを触って時間を潰す。
美瑛駅
特急大雪は遠軽で進行方向を変える。
つまり
これを
こうして椅子を前後に入れ替える必要がある。
誰がはじめるわけでもなく乗客が無言で椅子を前後に入れ替えはじめる。なんか不思議でおもろい雰囲氣だった。(コナミ)
そうしているうちに北見に到着。
写真がないのはクタクタで意識が回ってなかったからだ。
そんな中改札を出ると信じられないものを見た。
半袖半ズボンがいる。
慌ててiPhoneの天気アプリを起動して温度を確かめると9℃。
事もなげにスーツケースを運ぶ姿にはオーラさえ見える気がした。あれが心頭滅却すれば火もまた涼しといったやつか…。
見知らぬ念能力者に元気をもらい、飯どころを探す。手持ちには当日に消費しなければいけない1000円クーポンがある。
せっかくなら北海道ならではの飯が食べたいのでヴィクトリアステーションに行くことにした。
ヴィクステで喜ぶ僕
大俵ハンバーグ&チキンステーキ
あとビーフシチューオムライスも頼んだけど、来てすぐ食べちゃったので写真がなかった。(かわいい)
他の食べ物が美味しすぎたのか、絶品てほどじゃなかったけどじゅうぶん美味かった。
むしろ他のクオリティがバグってる。
そんなわけで今日の宿が見えた。時刻は21時。
少し早いが、今日は疲れた。
明日の出発は遅いのでゆっくり休めそうだ。
この日1番好きな写真。
旅の始まりにあった少しの不安が楽しさに変わってきた。
そんな一日だった。
どうでもいい小話
本当は一駅次の北美瑛にあるガイドの山小屋で高性能な電動自転車を借りて青い池まで行く計画だったが、道中に熊の目撃情報があって怖くてやめた。
時間的にもキツかっただろうしこれでよかったと思う。
結局青い池は後日見ることができる。(ネタバレ)
北海道旅行2日目-定山渓
チェックアウトが10時だかで、定山渓へのバスは確か13時に到着するから、それまでゆっくりできる。
この3時間で何しようか。観光でもするか。
備え付けてあったコーヒーを飲みながらぼんやりと考える。
そんなわけで不名誉にも名高い札幌三大ガッカリスポットを巡りつつ、北海道神宮に行くことにした。
地下鉄での移動だとそこそこ距離を歩かないといけないので、街中にあるレンタサイクルを使用することにした。完全無人のスマホ登録で使えるやつ。
これなら肩に負担をかけなくてすむし、何より初冬に入ろうとしている札幌は、サイクリングにはもってこいの場所でもあった。
巡ったのは、大通公園、テレビ塔、時計台の三大スポットと、北海道神宮である。
「大通公園は横に長いだけ」と言われるように、札幌に来たらここを観光すべきってスポットではなかったけど、デカい噴水とか遠めに見えるテレビ塔は割と写真映えするので結構良かった。
何件か屋台もあったりして隙間時間を埋めるにはちょうどいいかも。
テレビ塔は何より時間表示してくれてるから便利。
多分ここの1番綺麗なのは、夜にふと見上げたとき。ライトアップされていて、見応えがある。
昼
夜
時計台は何万回と擦られて有名なほど札幌ガッカリスポットとして名高い。中を見学できるらしいが、生憎時間がなかったので外からの撮影だけにとどめた。レトロな雰囲気があって、前を通るぶんには満足できるが、わざわざ見に来るものではないなとも思った。
実際この後も何度も前を通ったが、写真に収めたのはこの1回だけだった。ある意味日常に溶けこむ観光スポットと言えるかも。言えないか。
昔見た配信で「北海道神宮にはたくさんリスがいる」ってのに期待で胸を膨らませて自転車を漕いでいた。
…紅葉が綺麗だった。
どうにもいいハンターじゃなかったらしく、リスはついぞ現れることはなかった。血眼になって探していたけど、時間の制限もあるのでなくなく大通公園まで帰ることに。
この標識どこも観光名所でいいな。
自転車を返却するころには12時ごろになっていた。1時間バスを待ってもいいが、腹も減っていたので昼食にすることにした。
素早く提供されて、かつたくさん食べられるお店。
麺類かな。
そうして来たのがこの「やきそば屋」。
注文すると塩胡椒で軽く味付けされた焼きそばが出てきて、客はキムチや焼肉のタレ、マヨネーズや濃口ソースを使って好きに味付けして食べるのである。
無難にマヨ&ソースもいいし、焼肉のタレも美味かった。意外にキムチソースも美味いじゃんとしてたら3玉がすぐに消えてた。家でもやろっと。
いくら提供が早いとはいえ、数人並んでいたのもあって、時刻は12:30を過ぎるころだった。バスの時刻は13時なので徒歩では間に合うか怪しい。
使う予定はなかったが、そうも言ってられず地下鉄を使って向かう。
時間ギリギリに到着して、いざ定山渓へ。
道中の紅葉はまだ見頃を迎える前みたい。
そんなわけで到着!
定山渓ビューホテル、12000円の宿泊料が全国旅行支援割引で安くなり、温泉朝食夕食込みで8000円程度に。
それでは散策!と行きたいところだが、大学のゼミがある。15:00~16:30まで受講し(えらい)、外出するべく身支度を整える。
北海道ではすでに日の入りが17時前後になっているようで、近隣を撮影するのが関の山だった。
結構綺麗だ。
夕食のビュッフェが18時から短時間の間に入場する必要があり、一時引き返すことにした。
上の方にいくにつれ食欲に身を任せたバカの皿って感じがして面白い。反対に下は見栄えも気にしはじめているのだろうと見てとれる。
結局8皿くらい回った。1つ1つの質がとびきり高いわけではなかったけど、量と種類で満足感は高かった。
中でもカレイの(洒落た料理名)と、ローストビーフは何回も取った。美味かった。
腹も満たされて部屋に戻り、スマホを触っていると、どうやら近くでライトアップされている橋があると知り、急いで向かうことに。
山間に位置していることと、数日前に熊の目的情報があったことから、少し躊躇したが、熊鈴とラジオ代わりの動画でも流すことで(熊も人が怖い)多少の対策をしてライトアップを見にいくことにした。
ゲーミング吊橋じゃん
15分くらいホテルから歩いた甲斐があったと言うものだ。想像していたよりもずっとクオリティが高くて、観光客もたくさんいた。
特に吊橋から上流を望む景色は、さまざまな色でライトアップされるたびに違う顔を魅せてくれた。水面に反射する景色まで数秒ごとに変わる景色は圧巻だったな。
そうしてホテルに戻った自分は、6:30のアラームと、数枚の写真を撮って気を失うように眠りにつくのだった。
(わざわざ非常灯で缶に光を当てて撮影してる)
北海道旅行1日目-藻岩山展望台
CDを携帯に取り込まないといけない。
PCにディスク入れるとこがないから外付けできるやつを買わないと。
忘れていた、一応自撮り棒も買っておこう。
あ、スマホでカーナビ見るから取り付けできるやつも買わないと。
前日までにやっておけよと言いたくもなるが、上記は全部役立ったのでいいか。
そんなこんなで関西空港第2ターミナルへ。
数年前家族旅行で香港に行ったっきり飛行機なんて使ってなくて、結構ワクワクしている。
手荷物検査と荷物の重量を測ってもらうと重さはちょうど9kgを示していた。
ジュース2本分の重量がなくなれば8kg。機内持ち込みには少し重すぎて、預ける手数料が無駄にならなかったことに、ホッとしたような残念なような気持ちでリュックを預けた。
リュックは良い。スーツケースだと電車とかバスで膝上に抱えられないし、荷だなに上げるのもそこそこ大変で、何より走れない。
基本無計画なので走れる利点はありがたい。
手続きを済ませて待機場所に着いたのは、フライト予定の1時間前だった。気付けば1時間が経っていた。
しばらくぶりの飛行機、座席はD席で残念ながら内側、右隣に人がいないことに感謝しつつフライトを楽し…。
ケツが浮く感じがどうにも慣れない。
特に出発してしばらく雲を抜けるまでの車体の傾きや揺れは、飛行機の事故率の低さを知っていてもゾッとするものがあった。こわいね。
そんなこんなで雲間を抜けるころには夕焼けが眼下に広がる雲を照らしていた。
たまたま1番安かった16:40~18:40のフライトを予約したらマジックアワーと雲海を同時に見ることができた。これがこの旅1番の景色にならないよう祈りつつ、目線を下に落として読書を続ける。
100ページほど読んだが、どうやら人は死なないらしい。
そうするうちに北の大地に灯が見えた。
あっちは12度らしい。
無事に到着したことに安堵しつつ荷物の受け取りに向かう。トイストーリーだと無限に広がってたけどここはどうだろう?
外へ出るとそこはそこそこ寒かった。
幸いマフラーと手袋はいらないくらいで、コートを着ていると快温といえるくらいの寒さだった。
それにしても、前回(同年8月)は30時間かけて札幌まで鉄道で移動したのに、ほんの数時間でもう近郊に来ている。
アニメイトや映画館、果ては温泉まである新千歳空港をあとにとりあえずカプセルホテルを予約してある札幌に向かう。
40分ほどで到着し、前回ネカフェまでよく歩いたすすきの駅までの道を進む。煌びやかなネオンと乱立する高層ビル。自分は200万都市にまた来たのだと嬉しく思いながら、腹ごなしに味噌ラーメンを食べに行く。嬉しさでは腹は満たされない。
と思っていた。
しかし、写真を見る限り、先に夜景を見に行っている。
食い意地張ってる自分が、また珍しいなと感心しながら、視点は当時に戻る。
自分は200万都市にまた来たのだと嬉しく思いつつ、まずは藻岩山展望台を目指す。
ロープウェイの時間もあるため、先に夕食をとっていては間に合わないためだ。我ながら冷静な判断だと自分を褒めながら路上電車に乗ってロープウェイ前まで移動する。
褒められるとろくなことがない。スマホを触っていて降り逃したと思い、慌てて降りた駅は目的地の一駅手前だった。
…まぁ一駅なら歩こう。
着いた!
どうやら麓-山腹と山腹-山頂までを結ぶ2本で構成されているらしい。
昼間なら帰りの山頂-山腹くらいは下山したと思うが、夜は流石に熊が怖すぎる。市内にも出ている事例が増えてきているらしい。用心するに越したことはない。
どんどん登っていくロープウェイ、美しい景色に歓声があがる。
上の写真ではわからないだろうが、カップル4組がゴンドラに腰掛け、自分だけが立っている。
満員電車で立っていることも、景色を眺めるために立っているのも全く苦ではないが、この時ばかりはかなりの気まずさを感じた。
美しい。
ナトリウムランプの温かみを感じさせる色が眼下270度に広がっている。
2日前に満月だった月も快晴の空に爛々と輝いている。
上手く言葉にできないが、この景色を両腕で抱きしめたい。そんな欲望に駆られる。いつでも好きなときに見たいと思うからだろうか。
そんな思いもこめつつ、スマホのシャッターを何度も何度も押した。
名残惜しい気持ち少し、自分以外全部カップルなことに対する気まずさ少し、空腹を訴える腹多めでホテル近くでラーメン屋を探すことにした。
たまに鍋のスープでみる「すみれ」…は残念ながら定休日で、本命のラーメン屋もあまりに並んでいたので渋々諦めてラーメン横丁に向かう。
札幌在住の人がどんな印象を持っているかわからず、もしかしたら「あんなところ笑」と思っているかもしれないが、地価高そうなところでずっと続いてるのだからうまいのだろう。少なくとも自分はうまいと思っている。
(味噌ラーメン800円)
サイコロチャーシューがパッと見でツナに見えて斬新だなぁと思ったのを覚えている。
うまかった。
特に寒いと味噌ラーメンは何倍にも旨く感じるなと思った。
こうして怒涛の1日目が終わる。
はじめてのカプセルホテルで頭上の低さや防音性のなさに驚愕したり、サウナで水曜どうでしょうがあったせいで貸切サウナからなかなか出られなかったりと、色々あったが初日はここまで。
旅行の始まりを告げる素晴らしい1日だった。